郷愁となった日常を追って~鉄道~
只見線 春‐圧倒的な自然の豊かさ‐
奥会津の春は遅い。GWくらいになってようやく桜が満開…のはずだが、ここ数年は暖“春”の影響か、4月20日頃に見頃を迎えている。
同じように、田植えの時期も5月中旬以降と、他路線と時期が異なるのはある意味撮影者にとってありがたい半面、なかなか休ませてもらいえないものである(笑)。
車両は変われど変わらないであろう、草花の生命の息吹を感じる春の景色をご覧いただきたい。
2019.4.20 会津高田―会津本郷
只見線で桜といえば、(昨今撮影マナーの問題もあるが)月光寺であろう。しかし、桜並木でいえば、ここ宮川の千本桜が素晴らしい。
東西に延びている区間のため、早朝あるいは夕刻でないと逆光となるが、その分鋭い日差しが桜をより鮮やかに色付かせる。
2019.4.20 郷戸―会津柳津
只見線で桜で次にメジャーと思われる圓蔵寺の枝垂桜。
枝垂桜は八重桜同様ソメイヨシノの後にピークを迎えるイメージなのだが、この年はタイミングぴしゃりであった。
2018.4.21 郷戸―会津柳津
2019.4.20 会津柳津―郷戸
大本命の月光寺裏の桜。
しかしながら、個人的には満足のいく撮影に至ることなくキハ40が去ってしまった…。
2018.4.28 只見―大白川
この日はML信州からはじまり、早くも開通したR252をドライブしながら田子倉の新緑を目指していた。
しかし、某発電所の桜が新緑をバックに見事な咲きぶりで思わず心変わり。
後追いだったり信号機ほか余計なものが写ってはしまったが、必要悪と開き直り。残雪のおまけも入れて欲張り大満足な記録である。
2019.5.11 会津桧原―会津西方
会津中川―会津水沼
紅葉が有名な只見線だが、当然、新緑もまた見事。
しかしながら、胸を張って若松口で極まったといえる新緑はこの2枚しか残されていない。
2019.5.11 大白川―只見
有名となった若松口と異なり、新緑号・紅葉号を除いては鉄ちゃんもそう集まらない小出口。
しかし、その豊か過ぎる自然は若松口の比ではないと思う。
暖冬の影響もあってか、新緑号より2週間も早く設定された団臨列車を私含めてわずか3人だけで迎え撃った。
2019.5.25 大白川―只見
只見―大白川
前年の新緑号は光線を読み間違えてサイド薄、逆光などやらかしを重ねたが、先程の法面俯瞰ですべて帳消し。
おかげでリラックスできたことが幸いしてか、これまで気づくことのなかった藤の花を絡めることができた。
2019.5.26 大白川―只見
真・新緑号から2週間経過し、だいぶ緑も深まってきたので、この日は六十里越トンネルの飛び出しを狙った。
勢いよく流れる雪解け水が、本来まだ新緑の季節であることを物語っていた。
2018.5.26 北堀之内―越後川口
越後川口―小千谷
キハは非電化に限る、といった方もいることは承知のうえで、それでも上越線の景色は撮る価値があるだろうとささやかながら反撃(?)したい。
上越線から115系が撤退したこともあり、新緑号はもちろん、定期運用の返却・送り込みのキハが輝くのがまたなんともいえない。
2019.5.26 入広瀬―上条
只見線で水田といえば蓋沼俯瞰なのだが、入広瀬もまた素晴らしい。
惜しむらくは、光線状態が非常にシビアというところである。
2019.6.1 根岸―会津高田
梅雨入り前の晴れは非常に気持ちのいいものである。気温に対して空気の抜け具合がなぜか良いことが多い。
何度も惨敗を屈している蓋沼俯瞰でようやくVカットとなったこの年の夏、風っこが北海道に出張する関係で夏休み号に新津のタラコが入線することが決まっていた。
緑の絨毯を駆ける朱色の国鉄型気動車を妄想し、しばしの梅雨空を耐え忍ぶのであった。