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只見線 夏‐雨の日も努めて‐

梅雨。それは気分だけでなく撮影意欲も削がれる鬱陶しい季節。

しかし、只見線においては例外である。某ソーシャルゲーム5周年を記念した地方新聞における広告にもなった霧幻郷、そう、只見川の川霧である。

何度足を運べと、同じ湧き方はせず、まるで命があるように姿を変えるその自然の奥深さ。

こればかりは車両が変われど再訪の価値あり。もちろん、まだ見たことがないという方は、ぜひその目でご覧いただきたい。

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2019.7.15 会津柳津―会津坂本

2019.7.21 只見ー大白川

とはいうものの、川霧はカメラの知識もろくにないまま撮ったものばかりで、お見せできるようなものが少ないためまずは紫陽花で涼んでいただこう。

​奥会津の地と紫陽花は相性が良くないのか、沿線であまり見かけることはなかった。

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2019.8.3 会津桧原―会津西方

定番中の定番、第一只見川橋梁。ここは蛇行する只見川に沿うように沸き立つ川霧が一望できる。また、比較的川霧が発生しやすい場所でもあるようなので、迷ったらまずここ。

​川霧の難しさはその高さや濃さが常に一期一会なこと。この立ち位置の対岸、通称:船着き場で構えたこともあるが、霧が湧きすぎてホワイトアウト!なんてこともしばしば。

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2019.7.30 会津西方―会津宮下

これが私の川霧ベストショット

湿度にもよるが、川霧は気温が上がるとみるみると消えてしまう。そのため、雨や曇りの日が望ましいのだが、只見川にいくつも作られたダムのおかげか、水温が低いらしく、始発列車に限っては晴れても撮れる可能性がある。

​川霧シーズン、それはいつも以上に寝不足に苦しみ、そして幻想に酔う季節である。

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2019.8.3 会津桧原―会津西方

この年最大の目玉となったであろう、只見線若松口でのタラコ入線。定番中の定番であるが、ここで撮らずしてどこで撮る!

始発の川霧タイムから、昨今のSNS効果のせいか、上段まで尋常でない人の数。中段か…と諦めていたのだが、どうやら鉄ちゃん以外は川霧を撮って満足したらしい。ぞろぞろと道の駅へと戻る群衆に逆行して、文字どおり定位置を確保することができた。

​じりじりとさすような日差しの中、緑一面のステージにまさしく紅一点が登場した。

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2019.8.3 会津中川―会津川口

非常に燃えた若松口タラコであるが、都合によりこの日1日しか撮影できなかった。

それゆえ、どんなに定番であっても、今回は天邪鬼カットは封印かつ追っかけできそうな撮影地を選定。

そんなわけでセレクトされた大志俯瞰、後追いではあるが思ったよりもサイドに回った光線に満足し、さっそうとファイナルステージへと先回りを敢行した。

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2019.8.3 根岸―会津高田

追っかけ先はやはり蓋沼俯瞰。緑に育った稲の絨毯の上を走るタラコを夢見て走った甲斐あり、満足な立ち位置を確保できた。

沸き立つ夏雲は磐梯山の向こう側で山隠しの心配なし、むしろ夏らしい演出に感動を覚えた。

​この1日、タラコを待つ間に流した汗の量はいったいどれほどだっただろうか?いや、それ以上の思い出の詰まった夏の日であった。

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